【Mac】Numbersのバグよりユーザのミスを疑うサポート

Appleのサポートがダメダメなのは何度も書いてきたけれど、
またもや、やってくれたのでレポートします。


Numbersに「再計算」機能はない

Sarah RichterによるPixabayからの画像

『Numbers』でシートを作っていて、便利だと感じる機能がある反面、
他所のアプリの良い機能が無いと言うか、欠けていると思うことがたまにあるのですよ。
今回も、「LibreOffice」という無料のオフィススイートで作っていたシートを
Macの『Numbers』に移植していたんですね。
『Numbers』だと、iCloudにアップして、他のMacやiPhoneからも見れるので、
そうしようと思って。
(「LibreOffice」もちょっと手間をかけてやればできないこともないが)
それで、表の途中に行を入れる時、上下のセルが同じ内容なら、
新しく入れた行のセルも同じ内容に自動的にしてくれるという
親切な(?)機能が備わっているのですけれど、その下の行から計算が合わなくなるんですね。
しばし考えて、どうやら挿入した行のセルが「空」の状態で計算しているようなのですよ。
折角、自動的にセルの内容が入っているのに、それが活かされていないということです。
それで、「LibreOffice」にあるデータの「再計算」という機能が無いか
探したんですが見当たらないので、Appleのサポートに問うてみようと思い立つわけです。

Appleのサポートでもやはり、
「『Numbers』にそのような機能は無い」との返答だったんですが、
「必要がない」と考えているらしいのですよ。
つまり、「リアルタイムに自動で計算されて常に正しく表示される」という前提で
話を進めるのですね。
もうこの時点で私は不愉快になっているのです。
Microsoft」の「Excel」にも「再計算」という機能は備わっているらしいし、
LibreOffice」が特異なのではなく、
『Numbers』が欠陥を抱えていると考えるのが妥当だと私は思うんですよ。
ところが、流石、井の中のヌシ、Apple様のサポートスタッフですわ。
他所のことは全く知らずに興味もなく、知る必要も感じないわけです。
Appleこそ至高、Apple製品さえ知っていればそれでよし、
Appleが正しくて他所が間違っているという、いわばApple信仰ですよ。


ユーザの使い方が悪いという前提

truthseeker08によるPixabayからの画像

それで、色々と問答しながら私は考えたのですが、
「これは明らかなバグではないか?」ということです。
前述した通り、挿入した行のセルが「空」の状態で計算しているようなので、
『Numbers』というアプリのロジックがどうなっているかを考えたのです。
ついでに、開発の経緯も含めて。

まず先に、親切な機能がなく、単に空っぽの行を挿入する機能があり、
そこに、その親切な機能を付け足したとすると、
その、「複写」するというロジックの位置が、
本来であれば、計算する前でなくてはならないところを、
計算した後になっているのではないかと推察したわけですね。

【正しいロジック】
新しい行を挿入する。(この時点では全てのセルが空)

上下のセルの内容が同じなら、新しい行のセルに同じ内容を複写する。

計算し直すロジックに行く。(元々ある機能)

とするべきところを、

【現状のバグったロジック】
新しい行を挿入する。(この時点では全てのセルが空)

計算し直すロジックに行く。(元々ある機能)

上下のセルの内容が同じなら、新しい行のセルに同じ内容を複写する。

となっているのではないかということです。
すると、現状の表示(結果)に合点がいくのです。

そういう話を私がしたら、サポートスタッフは意味がわからないらしく、
少しキョドった反応をしましたが、すぐに取り直して
「設定によっては、行を挿入すると崩れる場合がある」と言い出したのですよ。
今度は私が何を言われているのか理解できずに困りましたね。
「そんな設定があるのか?」と。「一体どんな設定だ?」と。

で、サポートスタッフの話を聞きながら考えてみると、
どうやら「設定」と言っているのは、
「環境設定」や「初期設定」「ページ設定」などのことではなく、
「計算式の入力」のことらしいと分かったのですよ。
どうやら、このサポートスタッフ、
そういう紛らわしい言い方をしないようにという
配慮にも欠けているということなのです。困ったことに。
すると、それまで話をしていた全てが曖昧なものになってしまい、
話が噛み合っていなかったかもしれないという疑惑が生まれてしまうのです。
もうそうなると、文字通り「話にならない」という状況です。

ただ一点、間違いないのは「ユーザがミスをしている」という前提で
そのサポートスタッフは話をしているということです。


計算式は間違っていない

自分で試行して、計算式が間違っていないのは確認済みです。
そう伝えても、そのサポートスタッフは、
「設定によっては、行を挿入すると崩れる場合がある」という話を続けようとするのです。

実際にそのファイルを送信して提供してやっても、
その計算式自体が理解できないらしく、
調べるのにも向こうで相談するのにも時間がかかるというのです。
にも関わらず、『Numbers』のバグである可能性を僅かばかりも疑わないのです。
ちょっとくらい複雑な計算式が理解できないのに、ユーザのミスは疑うわけです。

その計算式は、
OFFSET(INDIRECT(ADDRESS(ROW(セル番地),COLUMN(セル番地),参照の型,参照形式,表),参照形式),−1,0,選択行数,選択列数)
となってます。
その部分だけを抽出してテスト用のシートを作ってみたのが下の画像です。
1行目にはそのままの数値「12,345」が入っています。
2行目以降の文字色がグレーのセルには、計算式が入っています。
この2行目と3行目に入力してある計算式は、下の画像のようになります。
この2行目と3行目の間に1行挿入すると、下の画像のようになります。
新しく挿入された3行目は、上下のセルの内容が同じなので、
その内容が複写されていますので、正しく表示されています。
ですが、4行目(元の3行目)は同じ内容が入っているのにも関わらず
「0」が表示されています。
「LibreOffice」からコピペしただけの状態なので、
「セル番地」「参照の型」「参照形式」「表」「参照形式」「選択行数」「選択列数」
という文字が入っていますが、これはそこにそういう値が入ると明示しているだけで、
実際には何も入っていないのと同じだと思います。
(「LibreOffice」でのコピーする元の計算式では入っていない部分だし)
ですが、そのサポートスタッフはすかさず、そこを突いてこようとしました。
それは予想していましたので、それらの余計な文字と不必要な「,」を取り除いて、
本来の計算式にして既にやってみてありました。
それがこれです。
OFFSET(INDIRECT(ADDRESS(ROW(),COLUMN())),−1,0)
計算式の意味は、そのセル自身の行列の一つ上のセルの値を表示する。というものです。
それが下の画像の4行目と5行目です。
これの4行目と5行目の間に1行挿入すると、下の画像のようになります。
やはり、同様の結果で、新しく挿入した行は複写されて正しく表示されていますが、
その下の6行目(元の5行目)は、同じ内容の計算式が入っているのにも関わらず、
「0」が表示されています。 それを説明してやっても、なお、そのサポートスタッフは
「設定によっては、行を挿入すると崩れる場合がある」という話をしようとするのですよ。


回避策は自分で見つけた

croisyによるPixabayからの画像

話の途中途中に、「調べる」といって保留に何度かなったので、
その間、「あーでもない、こーでもない」と『Numbers』のシートを弄っていたら、
回避策を見つけたのですよ。妥協策なんですけれどね。

新しい行を挿入したら、自動的にセルが複写される。
次に、その行を同じ場所にコピー&ペーストという操作をする。

すると、自動的に、その行より下の行が計算され直すので、正しい表示になるわけです。
妥協策だというのは、手数的にその親切な機能が無いのと変わらなくなるからです。
ですが、バグがあろうと、正しい表示を得る回避策が見つかったのですから、
直近では問題解決と言ってもいいでしょう。

本当の解決は、バグが修正され、かつ「再計算」という機能が装備され、
更に、その親切な自動的に複写する機能をオフにできるようになる。という
三点セットですけれども。
そのサポートスタッフにはどうやら、意味が全く伝わらなかったようです。
なので、改善するという期待はゼロでしょう。残念ですけれど。

それと、問答している間は気付きませんでしたが、
あと一つ、計算式に間違いがないことを証明する方法があることに後で気付きました。
それは後述します。


最新バージョンでも同じ?

その問答をしていた時点での最新OSは、「macOS Big Sur」なのですが、
私がメインで使っていたのは「macOS Mojave」なので、
『Numbers』のバージョンも恐らく古いでしょう。「10.1」でした。
ですが、そのサポートスタッフは、私の使っているバージョンも確認しましたし、
最新バージョンでも同じだという返答でしたから、
『Numbers』の開発スタッフは、
そのバグに少なくとも3年は気付かずにいるというわけです。
ユーザとの窓口であるサポートスタッフが誰も伝えてくれてないわけですね。
このバグに気付いたのが今までで私一人だとは考えにくいですしね。
流石、Apple。


バグに間違いない

そう確信しました。
そのサポートとのやり取りを終え(諦め)、その後で思いついたのですけれど、
前述したような、私の推察した通りのロジックのバグなのであれば、
その書類を
「一旦、保存して開き直すだけで、正しく表示されるのではないだろうか?」と。

それで、実際にやってみました。
前述した二通りのテストで使ったシートを一旦、保存して閉じて開き直すと、
見事に正しく表示されました。
これは、保存ファイルに、計算結果を記録していないで、計算式だけを記録していて、
ファイルを開いた時の初動で自動的に計算され、値が表示されるからです。
このように計算式を全く変更せずに、
「保存」→「閉じる」→「開く」
という操作だけで、保存する前は正しくなかった表示が、
正しく表示され直すということは、計算式は全く間違っておらず、
アプリのロジックに問題があることに他なりません。


あとがき

Jamie MahoneyによるPixabayからの画像

「Apple」を批判する記事を書くことが度々ある私ですが、
「Mac」が嫌いなわけではありません。「信者」でもありませんけれどね。
折角、開発陣が良い製品を作り出しても、それを台無しにしているのが、
サポート陣営と、トップ陣営だということです。
サポート陣営のダメさ加減には、呆れるを通り越して
「あれはもう盲信の類いなのだろうな」と感じていますし、
トップ陣営の愚かさにも気付かせて頂きました。

別件で以前、サポートでは話にならないので、
Apple日本法人の社長宛に直訴状を送った事があったのですが、
(その返答が遅いので、米国法人CEOのティム・クック氏のTwitterに、拙い英語で現状を吐露もしましたけれど)
その返答は「サポートに任せているので、サポートと話をしてくれ」という内容でした。
サポートじゃ話にならないから、わざわざ直訴しているのに。
サポートが、Appleの信用・信頼を貶めているというのに。
サポートの悪しき部分を改善する必要があると言っているのに。
つまり、ユーザが疲れて果てて諦めるまで、
サポートスタッフと問答させようということですよ。
要は、トップ陣営が、
サポートという窓口を露払い、ねずみ返しにくらいしか考えていないということです。
それではいつまで経っても、サポートの悪しき部分は改善されません。

その別件の時は、毎日Appleから私に電話をかけてきて、
状況に変わりがないか(変わるはずもなかったのだけれど)、
報告させられました。
まるで、嫌がらせでしたね。
普段、そんなことをされているスタッフが、鬱憤晴らしに
たまたまいい餌食を見つけてやり返してやろうという、
お門違いな犠牲になってしまったとすら感じましたね。

私は、Appleを潰したいわけではないのですよ。
Macを無くしたいわけでもありません。
むしろ好んでMacを使ってます。
『Apple』という、井の中の巨大な蛙に、今よりもっと良くなって欲しいのです。



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