フィラメント溶解製法(FFF法) – 3Dプリンター How-to

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3Dプリンターはどのようにして立体物を製造するのでしょうか。
その方法はいくつかあって、各々に特徴や長短があります。
その中から、『フィラメント溶解製法』という仕組みについて綴ります。
なお、『熱溶解積層方式』(Fused Deposition Modeling)は「FDM」と略されますが、
これは本質的には『フィラメント溶解製法』と同じ技術で、Stratasys社の登録商標です。


フィラメント溶解製法とは

『フィラメント溶解製法』は、
英語で「Fused Filament Fabrication」と記述され、略すと「FFF」となります。

XYZプリンティング」の3Dプリンター「ダヴィンチnano ホワイト」も、
この『フィラメント溶解製法』によるものです。

『フィラメント溶解製法』の原理は、樹脂を高熱で溶かし、積層させていくことで立体物を製造します。
一般的には、この溶かされる樹脂は、
「フィラメント」と呼ばれる紐状の形をしていてリールに巻きつけてあります。
そして、その「フィラメント」の端から、動力により押し出して、
ヒーターにより溶解させ、さらに造形テーブルに押し付けて積層を作ります。
この積層を繰り返し、何層も何十層も重ねることにより立体になるのです。

ちなみに、「XYZプリンティング」の製品では、
造形テーブルのことを「プラットフォーム」と呼びます。


フィラメント溶解製法の特徴と長短

ローコスト

『フィラメント溶解製法』の3Dプリンターは、
本体が比較的構造がローコストで製造する事ができるため、
廉価な機種によく採用されます。
また、材料となる「フィラメント」も他の構造の3Dプリンターと比べると安い部類になるので、
ユーザーのランニングコストも低く抑える事ができます。

ただし、「XYZプリンティング」の製品では、
自社メーカー純正の「フィラメント」しか使えなくしている機種があり、
その専用の「フィラメント」が他メーカー製の「フィラメント」より割高のため、
ローコストが希薄になってしまっています。

長所

しまった。( ̄◇ ̄;)
長所が何も思いつきません。上記したコスト面くらいです。💦

短所

  • 材料をヒーターで熱して溶かすため、金属のような融点が高い素材や、
    冷めて固まる特性を持たない石膏やレジンなどが扱えない。
  • 3Dプリンターを設置する場所の気温や材料の融点に影響を受けるため、
    ヒーターの温度を微調節しなくてはならない。
    そのため、設定をひとつに固定できない。
  • 「プラットフォーム」と呼ばれる造形テーブルに材料を積層させて出力させるため、
    宙に浮くような設計のモデルは、そのままでは出力できない。
    「サポート」と呼ばれる支えをモデルの下に出力する必要がある。
    「サポート」を作る分だけ材料が無駄に必要になる。
    「サポート」は、モデル本体に融着しているので、
    それを取り除いたあとが残ってしまうため、別途、切削作業が必要になってしまう。
  • 「プラットフォーム」への接地面積が小さいと、
    出力している途中で剥がれてしまいやすく、造形に失敗する。
    (対応策はいくつかあるが、そのどれも美しくはない)
  • 溶かした材料を続けて紐状に出力しながら、出力ヘッドが移動するため、
    直前の部分が冷めて固まっていないと、引っ張られる力がかかってしまい、
    ずれるので細かい造形が美しく仕上がらない。
  • カタログスペックから想像するような細かい出力はできず、精密な造形ができない。
    出力ヘッドの穴径が0.4mmでも、出力の際に溶けた材料を下に押し付けるので、
    少し膨らんでしまう。そのため0.4mm幅の造形はできない。
  • 溶かした材料を積層させるため、完成した造形物の表面が層で僅かに凸凹になる。
  • 溶かした材料を積層させるため、クリアな材料でも出力した造形物は
    層の境で光を乱反射してしまい、クリアに仕上がらず白濁してしまう。

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