古いMacを使って自宅サーバーを構築/その6

前回の
古いMacを使って自宅サーバーを構築/その5 セキュリティを整える
の続きです。
今回は、バックアップ体制の導入です。

(<概要>(もくじ)はこちら)


  1. バックアップ環境
    • 外付けHDDをフォーマットする
      • バックアップ先で最も簡易でコスパが良いのは、外付けHDDでしょう。
        (時代によってはその限りではないが)
      • まず、その外付けHDDをフォーマットするところから始めます。
        大抵の外付けHDDは
        Windows向けに「NTFS」でフォーマット済みですから、
        そのままでもマウントして中身が見れるのですが、
        バックアップソフトによっては、
        「Ext4」でないと正常に動作しない事があるので、
        Linux系の標準フォーマットである「Ext4」にします。
        (当然、中身は全て消去されるので注意)
        1. 「GParted」をインストールします。
          (既に入っている場合は読み飛ばしてください)
          画面左側のlauncherから
          「Ubuntuソフトウェア」をクリックして起動し、
          検索窓に「gparted」と入力すると直ぐに見つかります。
          表示されたGPartedの「インストール」ボタンをクリックします。
        2. インストールが完了すると、
          launcherにアイコンが追加されているので、
          それをクリックして起動します。
        3. 「GParted」のツールバー右側にあるドロップダウンリストを
          クリックして対象のデバイスを選択します。
          内臓ストレージが1台しかない場合は、
          外付けHDDは大抵、「/dev/sdb」になりますが、
          他に表示されている情報をよく見て間違えないように
          充分注意して下さい。

        4. メニューバーから、
          「デバイス」→「パーティションテーブルの作成」と選択します。
        5. すると、「パーティションテーブルの形式」を問われますので
          「gpt」を選択してから、「適用」ボタンをクリックします。
          これで、GUID パーティションテーブルが作成されます。
        6. 「未割り当て」となっているパーティションを
          右クリックして「新規」を選択します。
        7. すると、パーティション作成のウィンドウが表示されるので、
          サイズを確認(「新しいサイズ」が最大値になっていればよい、「前方の空き領域」は「1」のままでよい)して、
          「ファイルシステム」を「未フォーマット」に変更してから、
          「追加」ボタンをクリックします。
        8. 次に、メニューバーから
          「編集」→「保留中の全ての動作を適用する」と選択します。
        9. すると、確認のダイアログが表示されますので、
          よければ「適用」ボタンをクリックします。
          すると空のパーティションが作成されます。
          • GPartedではアクセス権を取得できないので
            ここではフォーマットをまだしません。
            ご自身でchmodやchownする場合は
            「GParted」でフォーマットしても構いません。
        10. 「GParted」アプリを閉じます。
          (閉じておかないと、後でディスクがマウントされない)
        11. 「ディスク」アプリを起動します。
          画面左上の「コンピューターを検索」の検索窓に
          「ディスク」または「disks」と入力すれば直ぐに見つかります。
        12. ウインドウ内左側の一覧から、
          先ほど「空のパーティション」を作成したHDDを選択し、
          対象のパーティションをクリックして選択状態にし、
          パーティションのすぐ下にある歯車ボタンをクリックします。
          現れた選択肢から、「パーティションを初期化…」を選択します。
        13. 現れたウインドウで、
          「タイプ」は「Linux システムと互換 (Ext4)」を選択し、
          名前の欄に任意の文字列(アルファベットを推奨)を入力して
          「初期化」ボタンをクリックします。
        14. すると、確認のダイアログが現れるので
          間違いなければ、もう一度「初期化」ボタンをクリックします。
        15. フォーマットが完了するとlauncherにアイコンが表示されますので、
          それをクリックすると開いて使えます。
    • バックアップできるアプリ(ソフト)
      • Ubuntuでバックアップを取る方法は、そう多くないようです。
        以下の三つを紹介します。
        バックアップソフトは、ひとつでも構わないのですが、
        敢えて複数いれて、弱点をカバーする考え方もあります。
      • FlyBack
        • MacのTime Machineに近いというので試してみました。
          が、私の理解が足りないのか、
          うまく自動で動作してくれませんでした。
          一応、インストール手順を紹介しておきます。
        1. 端末アプリで、コマンドを実行します。
          $ sudo apt-get install python python-glade2 python-gnome2 python-sqlite python-gconf rsync
        2. このページから、ダウンロードします。 いくつも並んでいますが、
          上の方のものを解凍してみると中身がちょっと意味不明なので、
          「flyback_0.4.0.tar.gz」を選んでみました。
        3. 得られた圧縮ファイルを展開します。
          (「ダウンロード」ディレクトリに展開したものとして、以下説明します)
        4. 以下のようにコマンドを実行します。
          $ cd ~/ダウンロード/flyback
          $ sudo python flyback.py
        5. すると、「FlyBack」が起動してウインドウが開きます。
        6. バックアップを始める前に設定を確認します。
          初めて開くと既に「Preference」(設定)ウインドウが開いています。 (開いていなければ画面上方のメニューバーから「Edit」→「設定」と選択する)
        7. Preferenceウインドウで、
          「Storage Location」タブでバックアップ先を指定します。
        8. 「Included/Excluded Directories」タブで
          バックアップ元のディレクトリを指定します。
          「included dirs」の欄は、対象にするものです。
          例えば、起動ストレージ全体を対象にしたい場合は
          「included dirs」の下の選択肢で「その他」を選択して
          開いた「ファイルを選択」ウインドウから
          「ファイルシステム」だけを選択し、「開く」ボタンをクリックし、
          「追加」ボタンをクリックすると一覧に「/」が入ります。
          「exclude patterns」の欄は除外するものです。
          (正規表現が使えるようだ)
        9. 「Backup Schedule」タブは、
          自動でバックアップをする設定だと思うのですが、
          うまく動いてくれなくて実は困っています。
        10. よければ「OK」ボタンをクリックします。
        11. 「Backup」ボタンをクリックすると処理が始まります。
          一回目は結構時間がかかりますが、
          二回目からは差分が少なければ直ぐに終わります。
      • Systemback
        • 履歴の管理ができたり、LiveDVDが作れたりする、
          やや多機能なツールです。
          が、私の理解が足りないのか、
          「VirtualBox」アプリ(仮想環境)上では
          これもうまく自動で動作してくれませんでした。
          実機の「Mac mini (Mid 2007)」のUbuntuでは動きました。
          インストール手順を紹介します。
        1. 端末アプリで、以下のようにコマンドを実行します。
          $ sudo add-apt-repository ppa:nemh/systemback
          $ sudo apt-get update
          $ sudo apt-get install systemback
        2. インストールが完了すると、
          画面左上の「コンピューターを検索する」から見つけられます。
          検索窓に「Systemback」と入力して下さい。
        3. 起動すると、
          ユーザー名とパスワードを入力するダイアログが表示されるので
          入力して「OK」をクリックします。
          すると、メインウインドウが開きます。
        4. 「Storage directory」にバックアップ先を指定します。
          ちょっと分かりにくいのですが、
          右上の「Storage directory」と書いてある欄の右端に
          「…」がボタンになっていますので、クリックします。
        5. ストレージやディレクトリを選択する画面になりますから、
          バックアップ先を選んで「OK」をクリックします。
          外付けストレージは「mnt」の中(階層下)にある筈ですが、
          無ければ他の「▶︎」をクリックして探して下さい。
        6. 元のメインウインドウに戻ったら、
          ほぼ中央にある「Point operations」の下の
          「Create new」ボタンをクリックします。
        7. すると、バックアップが始まります。
          処理が終わると、「⁠Restore points」の下に
          作成した日付を元にしたラベルが表示されます。
        8. 左側のラジオボタンは、
          バックアップをいくつまで履歴保管するかを指定しています。
          例えば上から10番目(一番下)にラジオボタンがある場合は、
          バックアップは10代まで保存されることになります。
          次にバックアップをを作成した際には、
          赤くハイライトされたバックアップが削除されることになります。
        9. 保存しておきたい履歴がある場合は、
          ラベルの右側にあるチェックボックスにチェックを入れ、
          「⁠Point operations」の下にある
          「Hilight」ボタンをクリックします。
          すると「Hilighted restore points」に移動します。
          これでそのバックアップはローテーションから外れ、
          自動的に削除される対象ではなくなります。
        10. メインウインドウ右下にある「>」ボタンをクリックすると、
          「Function menu」が次のページになります。
        11. そこにある「Schedule」ボタンをクリックすれば、
          自動処理の時間間隔を設定できます。
          「Schedule state:」の右側のボタンを押して、
          「Enabled」(有効)にします。
          日・時・分と、カウントダウンの秒を任意に設定したら
          「Back」ボタンでメインウインドウに戻ります。
        12. 設定が済んだら、
          メインウインドウ右上角にマウスカーソルを持って行きます。
          すると、ボタンがポップアップしますので、
          「×」ボタンをクリックして閉じます。
          ※「Systemback」自体を閉じておかないと、
          Scheduleの設定通りに動作してくれません
          から、注意が必要です。
      • luckyBackup
        • 使い方がイマイチよくわからないんですが、
          自動でバックアップを取れるかもと思い、試してみました。
          一応、インストール手順を紹介します。
        1. 「luckyBackup」は、
          「Ubuntuソフトウェア」からインストールできます。
          「Ubuntuソフトウェア」は、画面左側のlauncherにあります。
        2. 「Ubuntuソフトウェア」を起動して、
          検索窓に「luckyBackup」と入力すれば、すぐに見つかります。
        3. 見つけたら、その右側の「インストール」ボタンをクリックします。
      • その他の方法
        • アプリを追加せずに、Ubuntuの
          標準機能だけでもバックアップはできるのですが、
          何かしら不便なのです。
        1. 「システム設定」にある「バックアップ」を使う。
          • 追加でインストールするものが必要らしいのですが、
            その「インストール」ボタンを押しても、
            プログレスバーは進まずフリーズしているようなので
            全く使えません。
        2. 「rsync」コマンドを使う。
          • ディレクトリとディレクトリを同期することができます。
          • あくまで同期なので、履歴保存は無いようですし、
            元ファイルを削除してしまえば、
            同期先も自動的に削除してしまうようなので、
            二重化はできますが、バックアップとしては機能しません。
        3. 「growisofs」コマンドを使う。
          • 光学メディアに書き出すコマンドです。
          • ハードディスクは扱えないようなので、
            光学メディアが嵩張ってしまいます。
        4. 「tar」コマンドを使う。
          • これはアーカイブ(圧縮)する為のコマンドです。
          • 元ファイルの複製はしますが、圧縮ファイルになるので
            復元するときには感覚的に面倒だし、
            差分コピーができません。
        5. 「cp」コマンドを使う。
          • ファイルを複製するコマンドです。
          • ディレクトリごとコピーもできますが、
            差分コピーができません。
      • ここに載っていない方法もあるようですが、
        期待通りの機能はないようなので割愛します。
        もし、良さげなアプリを知っている場合や、
        このページの間違いや補足などを教えて頂ける場合は、
        メールフォームより、是非ご指摘を下さい。

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