「電動サンダー」あるととても便利ですね。
研磨作業が楽になって効率的になり生産性が向上するだけではなく、
肉体疲労からくる「荒」や「不均一」を避けられるので、作品の品質向上にもなります。
そんな便利な「電動サンダー」ですが、
対象となる材料にある程度の面積がないと「電動サンダー」の方が大きすぎて研磨できません。
ですが、「電動サンダー」では大きすぎるが、「ペンサンダー」では小さすぎる、
という微妙な面積の場合があります。
勿論、その程度なら手作業でもさほど難はありませんけれど、
「電動サンダー」で研磨できれば実に良いので、そのための「台座」を作ってみました。
名付けて『サンダーベース』です。
___【目次】___
完成写真
準備
材料
製作しながら試行錯誤をしましたので、この材料一覧と矛盾している画像が掲載されていますが、最終的に使用した材料だけを羅列します。
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板材/1枚
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木製の集成材を使用しましたが、他の材料でも可能です。
ただし、無垢材は集成材に比べ経年劣化しやすく、反りや割れが発生するかもしれませんので避けたほうが無難です。
薄い木材は、使用時に安定しませんので、15mm以上の厚みがあるほうが良いでしょう。
木材ではなく、合成樹脂や金属製の板材を使う方法があります。その際は、専用の工具などが必要になることもありますので注意が必要です。 -
厚み18mmの集成材から、約300×300mmを切り出して使いました。
正方形にしたほうが作りやすいし、使いやすいと思います。
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木製の集成材を使用しましたが、他の材料でも可能です。
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ジョイント金具/4枚
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押さえ爪/正方形の角用/4枚
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押さえる対象物が正方形の場合に使えます。
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正方形の対象物は、下記の「長方形の辺用」でも代用できます。
こちらは長方形の対象物には使えません。
- 3Dプリンターで出力したものを「サンダーベース/正方形四つ角用パーツ【2個ひと組】 | アトリエ・トリガ BASE店」で販売しています。
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押さえる対象物が正方形の場合に使えます。
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押さえ爪/長方形の辺用/4枚
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押さえる対象物が長方形の場合に使えます。
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長方形の対象物は、上記の「正方形の角用」では代用できません。
- 3Dプリンターで出力したものを「サンダーベース/長方形四つ辺用パーツ【2個ひと組】 | アトリエ・トリガ BASE店」で販売しています。
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押さえる対象物が長方形の場合に使えます。
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鬼目ナット/36個
- ベースとなる板材に直接、タッピングねじや木ネジを使うと、何度も付け外しを繰り返すのでねじ山が弱くなります。それを避けるために金属製のネジ山を埋め込みます。
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サイズは、呼び径M6、長さ16mmを使いました。
ステンレス製のものが見つからないので、三価クロメート(亜鉛合金ダイカスト)で妥協しました。 - 参考下穴径は、8.7〜9.0mmです。
- 個数は必要に応じて加減して下さい。
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極薄ローヘッド ボルトねじ/16本
- 「ジョイント金具」と「押さえ爪」を固定するのに使いました。
- 「押さえ爪」の位置を調整する際、最初は付け外しの簡単な蝶ボルトねじを使おうとしましたが、頭が意外と邪魔になるので、低頭ねじを使うことにしました。
- 頭の薄さが「超低頭」というものもありますが、コスト高になってしまうので、1.5mmのもので妥協しました。
- 上記「鬼目ナット」とともに使いますので、サイズはM6、「板材」と「押さえ爪」の厚みに合わせて長さは15mmを使いました。
- このねじは入手しづらいですが、「MISUMI-VONA」でなら売っています。
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六角レンチホルダー/2個
- 上記の「極薄ローヘッド ボルトねじ」の付け外しに使う、六角レンチを使わない時には固定しておけるようにしました。
- 3Dプリンターで出力したものを「六角レンチホルダー/3mm用【2個ひと組】 | アトリエ・トリガ BASE店」で販売しています。
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タッピングねじ/4本
- 上記の「六角レンチホルダー」を取り付けるのに使いました。
- 頭はトラスがベストでしょう。径は3mm、長さは10mmを使いましたが、板の厚みがもっとあるので、もうちょっと長いものを使ってもよかったです。
道具
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赤鉛筆
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切断線やガイド線を書くのに使いました。
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お気に入りは「三菱鉛筆」の「硬質 No.7700 赤」です。
芯が普通の色鉛筆より硬めで折れづらく書きやすいです。
バラ売りしているショップがあまりありませんが、「No.7700 硬質 赤 三菱鉛筆 色鉛筆 K7700.15【小分け売り】 | アトリエ・トリガ BASE店」で小分け売りしていますので、ついで買いにいかがでしょうか。
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切断線やガイド線を書くのに使いました。
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鉛筆削り(色鉛筆用)
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赤鉛筆を削るのに使いますが、普通の鉛筆削りではなく「色鉛筆用」をお勧めします。
普通の鉛筆削りより鈍角に削れるので、芯がより折れづらくなります。
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赤鉛筆を削るのに使いますが、普通の鉛筆削りではなく「色鉛筆用」をお勧めします。
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曲尺(かねじゃく)
- 直角に線を引くことができます。
- 切断線やガイド線を書くのに使いました。
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センターポンチ
- ねじを打つ位置に使いました。
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印を付けると言うより、中心をちょっと凹ます使い方をします。
ドリルで穴を空ける際、平らなままでやると中心がぶれてしまいやすいので、それを防ぐ効果があります。 -
「センターポンチ」というと、切っ先が鈍角になっているものが殆どですが、鋭角のものの方が使いやすいです。
硬い金属などに使用する事を想定していて、丈夫な鈍角になっているのでしょうけれど、鋭角のほうがほぼ真上から切っ先を見れるので使いやすいのです。
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ノギス
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六角レンチの寸法を確認するのに使いました。
無くても大丈夫です。
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六角レンチの寸法を確認するのに使いました。
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FreeCAD
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一部のパーツを作るのに使いました。
無くても大丈夫です。 -
3Dモデルを作れるCADソフトで、無償で全機能が使えます。
ですが、寄付を募っていますので「フリーウェア」ではなく「ドネーションウェア」に該当します。 - Windows版だけではなく、Mac版とLinux版もあります。
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一部のパーツを作るのに使いました。
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パソコンとプリンター
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穴を空ける位置を印刷してガイドにするのに使いました。
無くても大丈夫です。
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穴を空ける位置を印刷してガイドにするのに使いました。
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トレーシングペーパー
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穴を空ける位置を印刷してガイドにするのに使いました。
無くても大丈夫です。 -
プリンターによっては、トレーシングペーパーを使うと詰まる可能性がありますので、自己責任でやってください。
「薄口」は特に詰まりやすいので、「中厚口」か「厚口」がよいでしょう。
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穴を空ける位置を印刷してガイドにするのに使いました。
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3Dプリンター
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一部の部品を作るのに使いました。
無くても販売していますので大丈夫です(上記「材料」を参照)。
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一部の部品を作るのに使いました。
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精密薄刃ニッパー
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上記、3Dプリンターで出力した部品の「ツノ」を切除するのに使いました。
無くても構いません。 - 精密でなくても、薄刃ならプラモデル用で構いません。
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上記、3Dプリンターで出力した部品の「ツノ」を切除するのに使いました。
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カッター
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電動丸のこ
- 板材を切り出すのに使いました。
- 手ノコでやるより、楽で早く正確に真っ直ぐ切れます。
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丸ノコガイド
- 上記「電動丸のこ」で真っ直ぐに切る際に使いました。
- これがあると、初心者でも真っ直ぐ綺麗に切る事ができます。
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ボール盤
- 板材に穴を空けるのに使いました。
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私が持っている「高儀」の「ミニボール盤 BB-100A」では、フトコロ長さが足りずに、内側の4つの穴が届きませんでした。
(無理やり危険な方法でやったのだけれども、危険すぎてちょっと紹介できない)
なので、フトコロの長いものがよいでしょう。 - あるいは、テーブルの無い「磁気ボール盤」の類いがよいと思いますが、それかなり高価なんですよね。( ̄◇ ̄;)
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ドリル刃/8.5mm
- 上記の「鬼目ナット」の下穴を空けるのに使いました。
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参考下穴径は、8.7〜9.0mmなのですが、敢えてきつめに8.5mmを選択しました。
(8.5mmの上は、9.0mmしか持っていなかったため)
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ドリル刃/2.1mm
- 上記の「六角レンチホルダー」を取り付ける箇所の下穴を空けるのに使いました。
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ビニールテープ
- ドリルで空ける穴の深さを印しておくのに使いました。
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端切れ
- 穴あけ作業の下敷きに使いました。
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貫通穴を空ける時には、下敷きを入れた方が穴が綺麗に空きます。
貫通ではなくても、うっかり貫通させてしまう事があるので、下敷きは入れた方が無難です。
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電動サンダー
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これがあると、圧倒的に早く楽に研磨ができるだけではなく、疲労や不慣れからくる不均一を低減させる事ができるので、作品の品質向上にもなります。
ただし、これは「円運動」なので、使ったあとに木目に沿って手作業で研磨し直してやると更に綺麗に仕上がります。 - 板材を研磨して表面を整えるのに使いました。
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これがあると、圧倒的に早く楽に研磨ができるだけではなく、疲労や不慣れからくる不均一を低減させる事ができるので、作品の品質向上にもなります。
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研磨紙/空研ぎ#400
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あてゴム
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大きさの種類がいくつかあります。
大抵は、通常の230×280mmのサイズの研磨紙を切って使いやすいサイズになっています。 - 私は「8つ切り」というサイズのものを好んで使いますが、これは通常の230×280mmのサイズの研磨紙を8等分すると丁度良い大きさになります。
- 板材の仕上げ研磨に使いました。
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大きさの種類がいくつかあります。
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六角レンチ/6mm
- 上記の「鬼目ナット」をねじ込むのに使いました。
- 六角レンチはセットもので購入した方がかなりお得です。
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六角レンチ/3mm
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上記「極薄ローヘッド ボルトねじ」を付け外しするのに使います。
完成した『サンダーベース』を使っていく上で、何度も使いますので『サンダーベース』に取り付けられるようにしておいた方が便利です。
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上記「極薄ローヘッド ボルトねじ」を付け外しするのに使います。
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刷毛(掃除用)
- 制作作業中に出る細かい切り屑や粉を払うのに使いました。
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掃除機
- 制作作業中に出る細かい切り屑や粉を掃除するのに使いました。
工程
- 板材を切り出し
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対角線上に穴を空ける
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切り出した板材の対角線上に「赤鉛筆」で直線を引きます。
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「鬼目ナット」を対角線に並べてねじ込むための穴を空けるのですが、その一番内側の位置4ヶ所に「赤鉛筆」で印を付けます。
- 印の位置に「センターポンチ」で若干凹まします。
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下穴を空ける準備をします。
- 今回使う「ジョイント金具」の場合、23mm間隔が良さげな計算結果が出ました。
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できるだけ正確に間隔を空けるために、「FreeCAD」でガイド(型紙のようなもの)を作りました。
「トレーシングペーパー」に印刷して使います。
「トレーシングペーパー」は、プリンターに詰まりやすいので自己責任でやってください。
普通の「PPC用紙」とかでもできないことはないですが、あまり背景が透けて見えないのでガイドとしては使いづらいのです。
pdfでダウンロードできます。
このpdfファイルは「ドネーション・ソフト」に該当します。
ユーザ登録などの煩わしいものはありません。
無償でも使えますが、寄付を募っています。
寄付の方法は、「YggDore」を利用してますので、そちらにやり方が記載されています。
このページのURLを入力することで、宛先が筆者の私になります。
金額は決めていません。あなたが決めて下さい。
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この「ガイド」を板の上に重ねて、いずれかの丸十字の中心を先程凹ました位置に合わせて、板に引いた対角線上に一列になるようにします。
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ずれないようにしっかり押さえつつ、先程に凹ましておいた位置から外に向かって、丸十字の中心を「センターポンチ」で若干凹ましていきます。
- 最初に凹ましておいた位置より内側は穴を空けないので、凹ませる必要はありません。
- 同じ要領で、対角線の4本全てに凹みを付けていきます。
- 凹みを付け終わったら、この「ガイド」はもう使いませんのでどけます。
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「ドリル刃」をセットした「ボール盤」で凹みに合わせて下穴を空けます。
- 私は敢えてきつめの8.5mmを使いましたが、今回使ったサイズの「鬼目ナット」の下穴は、8.7〜9.0mmが目安です(8.5mmと9.0mmの間を持っていなかったので)。
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すべての位置に下穴を空けたいのですが、私の所有している「ボール盤」では、フトコロ長さが足りずに一番内側の位置に届きませんでした。
(強引にやる方法があるのですが、危険すぎるのでここでは紹介しません)
届かなければ残りは、手に持って使う普通の電動ドリルで空けるしかありません。
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切り出した板材の対角線上に「赤鉛筆」で直線を引きます。
- 「鬼目ナット」をねじ込む
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「押さえ爪」パーツをセットする
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「押さえ爪」パーツの凹みに「ジョイント金具」を入れます。
(ここでは正方形用のものを使っている)
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適当な位置に「極薄ローヘッド ボルトねじ」でとめます。
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今回使った「極薄ローヘッド ボルトねじ」は六角レンチの3mmを使います。
(下の写真は試行錯誤の初期のため蝶ボルトを使っている、鬼目ナットも全ては入っていない)
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この段階で、一応は使えるので、仮に対象物を入れてみます。
(下の写真の対象物は僅かに長方形なので押さえ爪との間に隙間がある)
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長方形用の「押さえ爪」の場合は下の写真のようになります。
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今回使った「極薄ローヘッド ボルトねじ」は六角レンチの3mmを使います。
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「押さえ爪」パーツの凹みに「ジョイント金具」を入れます。
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使わない「押さえ爪」と「六角レンチ」をとめる
- 「押さえ爪」が4本だけしか止められないと、収納性が悪いので残りの4本もとめられるようにします。
- 先程とめていた「押さえ爪」を一旦、すべて外します。
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残りの4本の「押さえ爪」は板の端の方に止めたいので、はみ出さない程度の位置に「赤鉛筆」で印をつけて、「センターポンチ」で若干凹ましていきます。
ついでに、「六角レンチホルダー」を取り付ける位置も同様にやりました。 - 先ほどと同様に「ボール盤」で凹みに合わせて「鬼目ナット」の下穴を空けます。
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「六角レンチホルダー」を取り付けたい位置に「タッピングねじ」の下穴を空けます。
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こちらの下穴は貫通させないので、ドリル刃に穴の深さが分かるように予め目印を付けておきます。
- この場合、マスキングテープでは弱すぎて、すぐずれてしまいますので、ビニールテープを使います。
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空けた下穴の位置が上手くなくて、「六角レンチホルダー」を止める位置を何度か変えました。
なので、無駄な穴が空いています。( ̄◇ ̄;)
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こちらの下穴は貫通させないので、ドリル刃に穴の深さが分かるように予め目印を付けておきます。
- 先ほどと同じ要領で、「鬼目ナット」をねじ込みます。
- 残りの「押さえ爪」を取り付けます。
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「六角レンチホルダー」を「タッピングねじ」で取り付けて、3mmの「六角レンチ」をとめます。
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完成
- これで研磨作業がはかどります。
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