材料が残っているのに使えない – 3Dプリンター How-to

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プリンター商法

XYZprinting」の3Dプリンターの「ダヴィンチ nano ホワイト」は、
いわゆる「プリンター商法」という方法で利益を出しています。
プリンター本体は利益を考えず極力安くしておいて、
インクの販売で利益を確保するというやり方です。
なので、ユーザー側から見れば、プリンター本体はリーズナブルで購入しやすく、
インクが高価な印象になってしまいます。

結果、長年使えば使うほど、ユーザーはコストパフォーマンスが悪くなります。
メーカーは、沢山使ってもらえばより儲かるという構図になります。
(ある程度古い機種になると、ジャンク寸前のインクは実勢価格が下がりますけれど)

XYZprinting」の3Dプリンターの「ダヴィンチ nano ホワイト」も同様になっています。


他社製の材料を使わせない

3Dではないプリンターは、メーカー純正ではない他社製のインクが出回っていて、
その安いインクを購入して使用することもできます。
(とは言え、非純正のインクは性能が信頼できないので、私は使いませんが)

XYZprinting」の3Dプリンターの「ダヴィンチ nano ホワイト」では、
純正のフィラメント(材料)しか使えないような仕掛けが施されています。
リールの中にチップが入っていて、そのチップに記憶されている暗号データを読み取り、
使用可能かどうかを判定しているのです。
他社製フィラメントをセットしても動きません。

純正フィラメントしか使えないようにするメーカー側のメリットは、
販売の利益だけでなく、メーカーサポート面でもコスト削減になるのでより儲かります。

まあ、百歩譲って純正フィラメントしか使えないのは「よし」としても、
いくつかの弊害が発生し、ユーザーは損をする事になります。


価格競争を避け高価なままになる

メーカー側はいいかもしれませんが、他社製の製品が競争に参加できない仕組みだと、
ほぼ言い値の価格になってしまうので、高価なままになってしまいます。
例えば、他社製のフィラメントの実勢価格は、2,000円程度からになりますが、
XYZprinting」の純正フィラメントは、4,000円前後もするので約2倍することになります。
しかも、一般的なフィラメントは内容量が、1kgなのに対し、
XYZprinting」の純正フィラメントは、600gしか入っていません。
都合、3倍以上の単価になります。
そんなに高価な材料を使うしか無いので、長く使えば長く使うほど損なのです。


余計な機能で無駄が出る

そして、フィラメントのチップには、残容量を記憶しています。
つまり、フィラメントを使い切ったと判定するのは、
センサーなどで途切れた事を読み取るのではなく、
チップ上の暗号データを読み取ることで機能しています。

現実の物理的な容量と、チップ上の暗号データがピッタリ合うわけもなく、誤差が生じます。
その誤差があるため、実際のフィラメントは公称値よりも多めに入っているのですが、
材料切れを判定されたときに残っているフィラメントは意外と多いのです。
しかし、材料切れを判定されたリールはもう使えません。

メーカー側はそうする事によって
トラブルやクレームを減らす事ができると考えているのかもしれませんが、
その余分に入っているフィラメントは製造コストに入っているので、
メーカーは損をせず、ユーザーが損をする構図になっています。

もちろん、リールに内蔵されているチップ自体のコストも、
それを読み取り判定する構造になっているコストも価格に含まれるため、ユーザーは損ばかりします。

他社製の3Dプリンター本体は、
XYZprinting」の3Dプリンターの「ダヴィンチ nano ホワイト」ほど廉価ではない代わりに、
余計な構造がない分、フィラメントは安く作れるので、一概に「安かろう悪かろう」になりません。
他社製の3Dプリンターは、長く使えば長く使うほどコストパフォーマンスが良い事になります。

ダヴィンチ nano ホワイト」以外の「XYZprinting」の3Dプリンターでは、
他社製のフィラメントが使えるものもあるようですが、
それを調べて購入する事は初心者にはやや難しいと思います。
初心者は目先の価格に囚われがちなので、
3Dプリンター本体の価格だけをもって、廉価な機材だと勘違いをして購入してしまうのです。
そして、そのカラクリに気付くまで、他の機種に買い換える事を考えないでしょうから、
このエントリーモデルだという「ダヴィンチ nano ホワイト」は、
メーカー側ばかりが得をする機種になるわけです。

しかも、そんな商売をやっていて儲からなくなったから日本市場から撤退したのです。
悪徳商法でボロ儲けできないから商売を投げ出したわけです。
企業努力はつゆほどもしていないと思われます。


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